不動産担保ローンの期限一括返済とは?メリット・デメリットを解説

不動産を担保に融資を受けるローンのことを、不動産担保ローンといいます。その返済方法はいくつかあり、その一つが期限一括返済です。今回は期限一括返済の概要と、ほかの返済方法と比べてどのようなメリット・デメリットがあるかを解説します。
目次
期限一括返済とは|元金払いを延期する返済方式
期限一括返済とは、毎月の返済日に利息のみを支払う返済方式です。
最終期日に元金を一括で返済するため、「元金一括返済」とも呼ばれます。
月々の返済負担が少ないことが特徴ですが、最終日までに元金を調達する必要があります。そのため、借入額を確実に用意できる見込みがある場合にのみ利用される返済方式です。
必ずしも最初に取り決めた最終期日のみが元金の返済日になるわけではなく、まとまった額を入金できる場合は、元金を繰り上げ返済することもできます。
元利均等返済との違い
ローンの返済方法にはほかに、元金と利息を合わせた額が毎月一定になる「元利均等返済」があります。
元利均等返済は期限一括返済とは違い、毎月の返済額は一定ですが元金と利息の内訳は毎回異なり返済後半になるほど支払い金額を占める利息の割合が小さくなるという特徴があります。
期限一括返済と同じ期間で比べると、毎月の支払額が高額になることがデメリットです。ただし、元利均等返済では返済開始日から最終日までの返済額が一定のため返済計画が立てやすいというメリットがあります。
期限一括返済のメリット3選|少ないストレスで生活できる
期限一括返済は、返済期間は利息のみを支払い、契約終了日に元金を一括で返済する形式です。
つまり元金を最終日まで返済しないという形式であるため、毎月元金と利息を支払う元利均等返済にはない独自のメリットがあります。
①利息負担が少なく、毎月の支払い負担が小さい
期限一括返済の特徴は、毎月の支払金額が利息分だけであるため、月々の負担が小さいことです。
不動産担保ローンは金利が低いため、期限一括返済を採用すると、月々の支払い金額は少なくて済みます。そのため、少ない負担で仕事やプライベートに必要な資金を調達したいときには期限一括返済が有効です。
また、返済が遅延するリスクも低減できます。
②元金を自由に使える
期限一括返済の場合、毎月支払う金額は利息分のみなので、借入額を自由に使えます。そのため、早期にまとまった資金が必要な場合の資金調達手段として有効です。
不動産担保ローンは借入から返済までの期間が長く、高額の借入も可能なので、事業の立ち上げや複数借入れの整理など、柔軟な資金計画が立てられます。
③繰り上げ返済できる
ローンの返済方法に期限一括返済を選ぶと、最終日に元金を一括で返済する形式になるため、元金返済時には大きな負担がかかります。最終日の負担を減らしたい場合は、繰り上げ返済によって長期借入れの負担を軽減できます。
大きな入金があったタイミングでこまめに元金を返済し、計画的に運用すれば、今後一層インフレが進んだ場合に効果的です。
期限一括返済のデメリット2選|綿密な返済計画が求められる
前述にて3つのメリットを紹介しましたが、期限一括返済には元金の額が減らないことに起因する注意点も存在します。元金を一括で返済することに不安がある場合や、最終的に支払う金額を減らしたい場合は、元利均等返済の利用も検討しましょう。
①一括返済時の負担が大きい
期限一括返済は元金返済時に払う金額が多く、一度に大きな負担がかかります。
特に不動産担保ローンは高額な融資を受けることが多いため、計画的な返済を行わなければ最終日に借入額を一括で返済する必要があります。そのため、期限一括返済は、繰り上げ返済を計画的に行えるか、元金の返済が可能な入金の目途がある場合にのみ選択しましょう。
②返済後の手元資金
期限一括返済と元利均等返済を比較すると、完済日まで利息の負担が少ないものは元利均等返済です。これは、元利均等返済の場合、毎回の支払額に占める利息の割合が回を追うごとに減少するためです。
短期的に見て負担が少ない方か、長期的に見て負担が少ない方かどちらの方法を選ぶとよいかを借入前に確認しておく必要があります。
まとめ
期限一括返済は、月々の負担を減らしながら融資が受けられるという利点があります。一方で、事前に返済の見通しを立て、計画的に繰り上げ返済をしておかないと、元金返済時に大きな負担がかかります。
不動産担保ローンの返済方式を決める際は、金利を含めた返済に必要な金額を確認し、必要な資金を用意できるかを確認した上で検討しましょう。
毎月の返済金額を減らし、余裕をもって返済したい場合は、期限一括返済を利用することをおすすめします。
この記事の監修者
- 株式会社ビジネスクルー
- 代表取締役 浅山 亮二
- 2007年10月に株式会社ビジネスクルーを設立。
近畿一円を中心に、個人向け・事業者向け・不動産業者向けに不動産を担保とする融資サービスを提供。
貸金業務取扱主任者及び宅地建物取引士の資格を保有。