相続で不動産担保ローンを活用するメリット・デメリットとは?

相続の際には、さまざまな疑問や不安が生じるものです。特に遺産分割は家族間でもトラブルになりやすく、知識を身につけておくことが必要不可欠といえます。
今回は相続で不動産担保ローンを活用するメリットとデメリットをご紹介します。
目次
代償分割とは?
代償分割とは、特定の相続人が高額な不動産を相続した場合、他の相続人に対して遺産を平等に分割する方法のひとつです。不動産を相続した者が他の相続人に対して代償金と呼ばれる差額を現金で支払います。
一般的に、亡くなった家族の遺産を分ける場合は法定相続分を目安にします。しかし、高額な不動産と僅かな現金しか相続するものがない場合、公平な遺産分配は困難です。そこで、代償分割を活用して公平さを保つのです。
不動産担保ローンを組むメリット
不動産担保ローンを組むことによって、以下のようなメリットがあります。
・必要な現金を手元に用意できる
・不動産を手放さずに済む
・低金利で長期のローンが可能
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
必要な現金を手元に用意できる
不動産担保ローンを組むことで、必要な現金を手元に用意できます。なぜなら、不動産担保ローンは不動産を担保にお金を借りる仕組みだからです。手元に現金がなくても相続した不動産を担保にすることで、代償分割を完了することができます。
現金での支払いが可能になるため、代償金を受け取る人の理解を得やすく、早期解決につながるという点が大きなメリットです。
不動産を手放さずに済む
不動産を手放さずに済むというメリットもあります。
不動産担保ローンを組まずに現金を得たい場合は、相続した不動産を売却しなければなりません。しかし、不動産担保ローンを利用することで相続した不動産を売却せずに済みます。
また、相続することで相続税が発生することになりますが、「小規模宅地等の特例」を利用すれば相続税を節税できる可能性があります。
低金利で長期のローンが可能
低金利で長期のローンが利用できるというメリットもあります。
不動産担保ローンは不動産を担保にしている分、無担保ローンよりも低金利です。そのため、低金利で長期のローンが組みやすいでしょう。高額な融資や長期の返済が実現しやすく、必要な額を希望の返済期間で借入しやすくなります。
不動産担保ローンを組むデメリット
不動産担保ローンを組むことには、メリットだけではなく以下のデメリットもあります。
・融資額は不動産の評価による
・諸費用が発生する
・抵当権が設定される
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
融資額は不動産の評価による
不動産担保ローンを組むデメリットとしては、融資額は不動産の評価に応じて変わることです。例えば、相続した不動産の評価が低いと十分な資金を調達できない可能性があります。この場合、代償分割のために不動産担保ローンを組んでも平等にならない可能性があるのです。
相続した不動産の評価を確認した上で、不動産担保ローンを利用するかを検討する必要があるでしょう。
諸費用が発生する
諸費用が発生するというデメリットもあります。不動産担保ローンを組む際にかかる諸費用としては、登記費用や事務手数料、不動産鑑定料などです。
諸費用が発生すれば、その分受け取れる現金が減るため、諸費用を考慮した上で借入額を決める必要があるでしょう。
抵当権が設定される
抵当権や根抵当権が設定されるというデメリットもあります。つまり、返済が滞った場合は不動産を失う可能性があります。代償分割を目的に不動産担保ローンを組んだにも関わらず、その不動産が差し押さえられてしまっては、不動産担保ローンを組む意味がありません。
無理のない返済計画なのか慎重に判断しましょう。
まとめ
遺産相続をする際、不動産が含まれると財産の配分に差がでることもあるでしょう。均等な遺産相続が困難な場合には代償分割を利用します。
代償分割において不動産担保ローンを利用することには、メリットとデメリットがあります。両方をそれぞれ把握した上で、不動産担保ローンを利用するか慎重な判断が大切です。
この記事の監修者
- 株式会社ビジネスクルー
- 代表取締役 浅山 亮二
- 2007年10月に株式会社ビジネスクルーを設立。
近畿一円を中心に、個人向け・事業者向け・不動産業者向けに不動産を担保とする融資サービスを提供。
貸金業務取扱主任者及び宅地建物取引士の資格を保有。