金融機関からの住宅ローンを利用する場合、その不動産自体を担保に借り入れすることになります。
こうした有担保ローンの担保に対して設定される担保権には、大きく分けて「抵当権」と「根抵当権」の2種類があります。
このページでは、抵当権と根抵当権の特徴や違いなどについてご紹介いたしますので、実際の借り入れ前にまずは仕組みを理解しておきましょう。

目次

抵当権と根抵当権の特徴

特定の融資に対する「抵当権」

ある特定のローンに対して設定される担保権を「抵当権」といいます。
抵当権が設定されるローンとして代表的なものが住宅ローンで、居住用の土地と建物を購入するためにローンを組んだ際、その土地と建物を担保に抵当権が設定されます。
例えば、3,000万円の物件購入に住宅ローンを利用した場合、3,000万円の抵当権が設定されます。
この抵当権は特定のローンに対して担保設定されるため、全額返済すると抹消の手続きを行い、再度借り入れしたい場合には、改めて抵当権の設定が必要となります。
例えば、3,000万円のローンを完済した後に、1,000万円の融資を受けた場合、登記上では1番抵当で1,000万円と設定され、さらに追加で500万円の借り入れをした場合には、2番抵当として500万円が設定されます。
抵当権の場合、このような複数の取引を行う際にはその都度、手続きや費用が必要となるデメリットがあります。

極度額の範囲内で繰り返し取引可能な「根抵当権」

担保となる不動産の評価から貸し出し可能な極度額(上限額)をあらかじめ決めておき、その極度額の範囲内において反復して貸し借りできるのが「根抵当権」です。
この根抵当権は借入と返済を繰り返し行うことができるので、まとまった資金や急な運転資金が必要になる会社や事業者の方に向いています。
根抵当権を設定するということは、すなわち担保となる不動産にローンの上限額(極度額)を設けるイメージで、その上限額の70%~80%を目安に、何度でも借入と返済を繰り返し行うことができるというものです。
例えば、極度額3,000万円で根抵当権を設定すれば、2,400万円まで借り入れすることができるようになります。
まず、1,000万円の融資を受けた場合、残りの枠は1,400万円となり、さらに追加で500万円の借り入れをすれば、残りの枠は900万円となります。
抵当権とは違い、完済してもそのまま根抵当権を残しておくことができ、今後、融資を利用しないという場合には、解除(抹消)の手続きをすることもできます。

抵当権と根抵当権の違い

抵当権と根抵当権の違いとして、まずはじめに担保の範囲が異なります。
抵当権は住宅ローンといった特定のローンについて担保するもので、ローンの返済が済めば担保としての役割を終えます。
これに対し、根抵当権は不特定のローンを担保することができるため、完済しても金融機関で引き続きローンを組めば極度額の範囲で担保されることになります。
また、借入額についても違いがあり、抵当権の場合は決めた額を借りることになりますが、根抵当権の場合はあらかじめ決められた極度額の範囲内であれば、自由に借り入れすることが出来ます。

このほか、ローンを完済した後にも違いがあります。
抵当権の場合、ローンを完済すると金融機関はその権利が消滅するため、必然的に抵当権を抹消することになります。
しかし、根抵当権は特定のローンを担保するものではないため、ローンを完済しても消滅することはなく、繰り返しそのまま利用することができます。
極度額内の借り入れであれば、同一の根抵当権のまま何度でも借り入れができるという仕組みにより、登記費用を抑えられるだけでなく、スムーズな取引が行えるようになります。

不動産担保ローンで融資を受けるときには根抵当権を設定する

不動産担保ローンは不動産を担保に借り入れする代表的なローンで、根抵当権を設定するのが基本です。
その理由は不動産を担保として限度額を高めに設定することができ、使う用途も自由なほか、返済期間を長く設定することもできるためです。

また、資金が足りない時のつなぎ資金のために根抵当権を利用するというケースも中にはあります。
根抵当権は一度設定することで、金融機関から承認さえ降りれば借り入れすることができ、また、金融機関によっては不動産に余力があれば、住宅ローンが返済中であっても融資を受けることができます。
不動産担保ローンは地域によって借り入れ限度額や返済期間が異なるため、どの金融機関にするかは抵当権と根抵当権についての条件を比較して、より使いやすいと感じる金融機関から決めることが大切です。

抵当権と根抵当権を利用するときは

抵当権という言葉はほとんどの方が一度は聞いたことがあるでしょう。
しかし、それと似た根抵当権という言葉は今回初めて聞いたという方もいるかと思います。
これらは金融機関によって異なるのはもちろんですが、利用シーンによっても変わることがありますので、しっかりとその特徴や違いを理解した上で取引を行うようにしましょう。