投資をする上でよく聞く言葉のひとつに「レバレッジ」というものがあります。
レバレッジは簡単にいうと「てこの原理」のことで、小さな自己資金で大きなリターンが見込める方法です。
これは主に株式投資やFX投資で利用される言葉で、不動産投資におけるレバレッジはやや意味が異なります。
この記事では、不動産投資におけるレバレッジに焦点をあてて詳しくご紹介いたします。

目次

不動産投資におけるレバレッジとは?

「レバレッジ」という言葉は、株式投資における信用取引などを行う場合に用いられます。
株式投資でレバレッジを利用すれば、自己資金で投資した以上の利益を得ることも可能になります。
しかし、不動産投資におけるレバレッジの意味は株式投資などとは異なります。

自己資金だけの投資に比べて大きな投資が可能になり、場合によっては大きなリターンを得ることが出来るという点では同じかもしれませんが、不動産投資が他と大きく違う点は、金融機関の融資を利用できるということです。

融資を利用できるのは不動産投資だけ

株式等の投資を始める場合、金融機関を訪問してもお金を貸してもらえることはまずないでしょう。
しかし、不動産投資の場合は購入する土地や建物を担保にお金を借りることが出来るため、投資においても融資を受けることが可能です。
とはいっても、すべての投資用不動産が同等にお金を貸してもらえるわけではありません。
融資の金額は主に購入したい投資用不動産の担保価値によって決まりますので、より良い物件を見つけることが結果的に不動産投資を発展させることに繋がります。

そして住宅ローンとは違い、本人の属性だけで融資が決まることもありません。
もちろん、融資の際には本人の属性も審査されますが、それ以外にも購入予定の投資用不動産がどの程度の利益を生み出すかを金融機関は判定し、融資額を決定するのです。

不動産投資のレバレッジの例

例えば、土地建物の合計額が1,000万円の中古アパートを購入する場合、自己資金のみで購入するとローンの心配はせずに運営することが出来ます。
しかし、自己資金を200万円にして、残りの800万円を借入して購入した場合、当然ですが借入にて補った分の800万円が手元に残ります。
今回は1,000万円の自己資金があるケースを例にしましたが、そもそも自己資金が足りないという場合は自己資金以上の不動産を投資用に取得することが可能となるので、より高いリターンを見込むことができます。
このほか、借入金を利用して次の物件を購入する頭金にしたり、購入したアパートの将来の修繕費用に充てたりすることも出来ます。

このように不動産投資の拡大のスピードを速めたい場合にも、金融機関の融資、すなわちレバレッジを利用すると自己資金のみの投資よりも早く資産を築くことが可能となります。

レバレッジの注意点

金融機関の融資を利用したレバレッジですが、注意すべきデメリットもあります。
融資を活用した場合には、当然ながら毎月のローンの返済が発生します。
その返済は投資用物件の家賃収入から返済するというのが基本です。

そのため、物件に空室が出た場合はローンの返済に影響することがあります。
空室は不動産投資にとって一番頭を悩ませる部分です。
常に満室状態を維持することが理想ですが、どんなに良い物件であっても空室が出る可能性はあります。

それを防止するためには、購入する際に立地の良い物件を購入することが大切で、人口や環境などを購入前にしっかりとリサーチしてから購入に踏み切りましょう。
そして、購入後に空室が発生してしまい、もしそれが長引いた場合には、なぜ空室が埋まらないのかを分析するようにします。
他にも空室以外の注意点として、変動金利でローンを組んだ場合には金利の変化にも注意が必要です。
金利の変動が不安な場合には、固定金利を利用するほうが得策でしょう。

転売目的で投資用不動産を購入する場合は上記のような懸念は不要ですが、いずれにしてもリサーチは欠かせないことになりますので、購入後の見通しもしっかりと持ちながら利用するといいでしょう。

レバレッジを勉強して強い味方にしよう

初めて利用する場合、レバレッジは融資を利用するので不安に思ってしまう方もいることでしょう。
しかし、レバレッジをよく理解している不動産投資家はそれを上手に利用して、投資用不動産を増やすことに長けています。
まずは不動産投資とレバレッジの勉強から始めて、自己資金とのバランスも考えながら上手くレバレッジを利用し、物件購入の足掛かりにするといいでしょう。